もし人に言葉を教えなかったら

 神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世(1194.12.26-1250.12.13)は、人間に言葉を教えなかったらどうなるかと考えたと、彼を敵視するフランシスコ会修道士で歴史家のサリンベーネが著した年代記に記述されている。そこで全国から乳児の孤児を数百人を集め、いたれりつくせりの待遇を命じながらも周囲の人間に「絶対に乳児に話しかけてはならない」と禁令を出した。しかし1年を経過するまでにすべての乳児は死に絶えてしまったという。
 フリードリヒ2世は学問と芸術を好み、18世紀の啓蒙君主を先取りしたとも言える制度を制定し、ローマ教皇が権力をふるっていたこの時代において近代君主的な振る舞いを見せていた。19世紀のスイスの歴史家ヤーコプ・ブルクハルトも彼のことを「王座上の最初の近代人」と評している。具体的には、1224年に世界最古の大学の一つであるナポリ大学の設立、現在欧米諸国では一般的となっている医薬分業制度を世界で初めて行ない薬価を制定、貧民を対象に無料で職業訓練や診察の実施などが行なわれている。


2003.07.17 作成
2017.09.19 更新

投稿者: たろう

京大合格を目指す学習塾教室長・40代独身。お嫁さん随時募集中。