野幌森林公園

 野幌森林公園は北海道江別市南方の丘陵地帯に広がる森林地帯である。森は地元では古くから「原始林」と呼ばれ親しまれてきた。植栽の人手が加わり今では本来の原始林ではないが、それでも大都市・札幌のすぐ隣にこのような森があるのは貴重である。
 この森を現在まで残してくれた功労者は、明治半ばから江別市野幌一帯の開拓を進めた団体「北越殖民社」の責任者・関矢孫左衛門(1844-1917)という人物。1892(明治25)年、当時は皇室林だった野幌原始林の所管を北海道庁に移す話が持ち上がった。道庁は森林を分割し町村に払い下げるつもりだった。孫左衛門はそうなれば森は無秩序に伐採されやがて失われると反対運動を始めた。孫左衛門が政府に出した「この森は水利を養い暴風を防ぐ。乱伐されると石狩地方の水田が水源を失う」など、森林の働きを的確に記した内容の意見書が残っている。上京する道庁長官を函館に追いかけてまで直訴した孫左衛門の働きで森が残った。
 大正時代、野幌村民は孫左衛門の心が永遠に残るよう願い、大きな自然石に「留魂」と彫って建立した。江別市東野幌の千古園という史跡にその石が残っている。


2003.09.03 作成

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投稿者: たろう

京大進学を目指す学習塾教室長・40代独身。お嫁さん随時募集中。