うるう年・うるう月・うるう秒

■うるう年
 現在の暦の基本となっている「グレゴリオ暦」は、基本的には4年に一度、4の倍数となる年に「2月29日」を設けて地球の公転周期と暦の1年とのズレを修正する。「基本的に」というのは、1900年や2100年など100の倍数となる年は4の倍数の年であってもうるう年とならないためである。ただし2000年や2400年など、400の倍数となる年は例外として100の倍数の年でも2月29日を設けることになっている。
 このような面倒くさい方式をとっているのは地球の1太陽年(春分点から次の春分点までの周期)が365.24219日で、端数となる0.24219日を修正するため4年に一度2月29日を入れると、

 0.24219×4=0.96876日

 となり、これでもまだ0.03124日の誤差が残っているためである。400年経つとこの誤差は3.124日となり、400の倍数を除く100の倍数となる年だけは平年に戻すと0.124日の誤差にしかならない。それでも10000年経つと3.1日の誤差が生じてしまう。
 ちなみに、この「グレゴリオ暦」は当時のローマ法王グレゴリオ13世が命じ、1582年10月15日から始まった。この日の前日が1582年10月4日で、この月は10日間省略されている。それまでは有名なローマの独裁者ユリウス・カエサルが天文学者に命じて作らせたユリウス暦が使われていた。
 日本では1873(明治6)年より古来の太陰暦から移行された。これは旧暦の1872(明治5)年12月3日を「1873(明治6)年1月1日」としたものである。このようにした背景には政治的な理由があった。1年12カ月の太陽暦は「うるう月」のある太陰暦に比べ、官吏の月給支払いを1カ月分節約できる上(旧暦の1873年にはうるう月があり、1年が13カ月あることになっていた)、このタイミングで移行することにより1872(明治5)年12月分の月給も倹約できたからである。
 ちなみに2月が28日までしかないのは、カエサルの後継者となったアウクズスツ帝が8月に自分の名を付け、30日の「小の月」から31日の「大の月」に格上げしたためである。その代わり2月を29日から28日に減らしたのである。
 「2月29日」という半端な時期にズレを修正するのは、ユリウス暦以前の古ローマ暦では現在の3月から2月までが1年間の周期で、この1年間の周期の最後に1日挿入することによりこのズレを修正していたからである。

■うるう月
 月の満ち欠けを基準として定められた太陰暦に登場する暦。日本では現在のグレゴリオ暦が採用されるまで「太陰太陽暦(天保壬寅暦)」が使用されていた。イスラム世界では、現在でも「ヒジュラ暦」という太陰暦を使用している。
 月の公転周期(新月から次の新月まで)はおよそ29.5日となる。よって小の月を29日、大の月を30日と、大の月・小の月を毎月交互に設ければ、だいたいの修正は利く。しかしこの場合1年(12カ月)は354日で、地球の公転周期と比べると11日ほど短くなり何年も12カ月のままにしておく同じ月でも季節がずれてくる。このため、約3年に一度「うるう月」を設け、このズレを修正している。
 もともと古代ローマでも太陰暦が使用され、2年ごとに22日または23日の「うるう月」を設け1年を13カ月にして調整していた。それでも政治家が「うるう月」を悪用したため大幅に暦が狂っていた。多額の借金を抱えた政治家にとっては「うるう月」を設ければその日数だけ返済時期が延びて資金繰りが楽になるし、政敵の公職在任期間を縮めるためには「うるう月」を省略すればいいからである。紀元前46年、シーザーが長い遠征からローマへ帰国すると、暦の春分が実際と3カ月もずれていた。彼はこの年「うるう月」を3回挿入して暦と季節を合わせ、結果として445日という長い一年になった。そのためカエサルは、この年にうるう月のない「ユリウス暦」を制定したのである。

■うるう秒
 うるう秒は秒単位での時間の修正。世界標準時では午後11時59分59秒の次に60秒が入り、午前0時0分0秒になる。日本時間では午前9時にうるう秒を挿入する。世界の標準時計は1972年1月1日から原子時計が使われ、この「協定世界時」と地球の自転に基づく「世界時」のズレを調整するのがうるう秒である。ただしNHKやNTTの時報はうるう秒前に100秒かけて修正するため一般には幻の1秒となる。
 ちなみにうるう秒は、パリにある国際地球回転観測事業(IERS)によって制定され、半年ごとに発行されるビュレテインCで公示されることになっている。なお、地球の自転速度が一定ではないため、うるう秒設定の周期も不規則である。


2004.02.29 作成

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投稿者: たろう

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