0119.おいしい水
 地球上に存在する水のうち海水は全体の97%もあるが、飲料水に適している水はわずか0.8%のみであるといわれている。本来水は無味無臭ゆえ、飲んだときに少しでもいやな味やにおいがすると敏感に感じてしまう。日本は水道水の水を直接飲むことのできる数少ない国の一つだが、それでも都会に行けば行くほど水道水はまずいものとなる。また、食品製造業界、特に酒造メーカーにとって水質は製品の出来を左右する大きな問題でもある。
 そのため、良い水を提供するウォータービジネス(飲用水販売)というものが存在する。水質のあまり良くないヨーロッパでは昔からウォータービジネスが盛んで、良質な泉が湧き出るとそこに人が集まり、その地が栄えるといわれている。フランス南西部ピレネー山麓の聖母マリアが出現したというルルドの泉などが有名である。エビアン、ビシー、ヴィッテル、ペリエ、カルルスバード、マルヴェルンなど、ヨーロッパの有名なミネラルウォーターも日本に輸入されている。
 平安時代の記録によると、日本でも一部の温泉水が治療のために飲用されていたようである。明治時代になり、兵庫県川西市の平野で湧出する天然の炭酸鉱泉水をガラス瓶に詰めたものを三ツ矢平野水として、また同じころ兵庫県の宝塚付近でイギリス人のJ・C・ウィルキンソンが発見した鉱泉をウィルキンソン-タンサンとして発売したのが、日本のウォータービジネスの始まりである。
 一般に「おいしい水」とは、炭酸ガスが適度に含まれていること、カルシウム・マグネシウムなどのいわゆるミネラルを適当量(約100~200ppm)含んでいること、水温は10度前後であるといわれている。ちなみに、農林水産省のミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドラインでは、ミネラルウォーター類を原水や処理方法の違いで以下の4種類に分類している。

■ナチュラルウォーター
 1つの水源から採取された地下水で、沈殿ろ過または加熱殺菌処理のみを施した水
■ナチュラルミネラルウォーター
 ナチュラルウォーターのうち、地層中のミネラル分が溶け出して成分的に特徴のあるもの
■ミネラルウォーター
 複数の源水をブレンドしたり、ミネラル分の調整や臭気を除いたもの。源水はナチュラルミネラルウォーターと同じ
■ボトルドウォーター
 上記3種以外の水のことで、蒸留するなど人工的な処理を施したもの

作成 2004.06.27/更新 2004.06.27
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