0136.『グスコーブドリの伝記』
 宮沢賢治の死の前年、1932(昭和7)年に発表された童話。
 冷害に苦しむ農村のために、27歳のブドリがクーポー博士のところを訪ねる。
 「先生、気層のなかに炭酸瓦斯が増えて来れば暖かくなるのですか」
 「それはなるだらう。地球ができてからいままでの気温は、大抵空気中の炭酸瓦斯の量できまってゐたと云はれる位だからね」
 この後、カルボナード山を爆発させることにより噴出される炭酸ガスにより地球全体の平均気温を5度ぐらい上昇させることができるというクーポー博士の言葉を聞き、自分が火山の爆発を人工的に起こさせ犠牲となって死亡、人々を冷害から救う、というストーリーである。
 この話の場合、実際には火山灰による太陽光の遮断により気温が下がることも考えられるが、「二酸化炭素(炭酸ガス)により地球を温暖化させる」という考えが取り上げられている。賢治のこの作品が1932年に発表されていることからも分かるように、この考えは古くから知られていた。
 しかし、温室効果ガスによる地球温暖化が問題視されるようになったのは1980年代後半ごろからである。

作成 2004.09.12/更新 2004.09.12
科学
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