0139.ちゃぶ台
 脚の折りたためる小さなテーブル。漢字では「卓袱台」と書く。
 このちゃぶ台の歴史は意外と浅い。大正時代以前は「銘々膳(めいめいぜん)」を用い、一人ひとりが別々の台を使用して食事をしていた。脚付きの膳の高さが身分の高さを表していて、主人や長男は高脚の膳を、他の家族は低い膳や箱膳を用いていた。
 大正デモクラシーの時代になり、封建的な家父長制度を象徴する膳に対し、同じ高さに家族が平等に並ぶちゃぶ台が民主主義のシンボルとして普及した。第2次大戦後は洋式のイスとテーブルの食事が推奨され、食卓を片付けて布団を敷く暮らしに対して寝食分離がうたわれ、ちゃぶ台は見放されていった。しかし、現在でも単身者の生活に欠かせない存在として生き残り続けている。
 ちゃぶ台が初めて登場したのは1891(明治24)年の特許1188号。つまりちゃぶ台は、近代の日本で発明されたものである。特許に見られるちゃぶ台を見ると、ちゃぶ台に特有の脚折れ機能を備えた円形卓子の形をとっているが、脚に洋風の彫刻があり、高さ40センチと、ちゃぶ台にしては高すぎるデザインのものとなっている。実はこれは洋風ティーテーブルで、輸出など運搬にかさばらないよう脚を折り畳めるようにしたものである。その四半世紀後、大正時代になり、脚が和風の角脚や下方の広がったバチ形の脚に変わり、脚も10センチ短くなって座卓、ちゃぶ台として再登場したのである。

作成 2004.10.05/更新 2004.10.05
モノの歴史
<0138  北海道雑学研究会TOP  0140>

copyright (c) Hokkaido Zatsugaku Society