0142.備長炭
 ウバメガシの木を原料にして作られる上質の木炭のこと。江戸時代・元禄年間に紀州田辺藩の炭問屋・備中屋長左衛門が製法を工夫したといわれている。
 木炭には原木の種類や焼き方により「白炭」と「黒炭」に分類される。
 備長炭に代表される白炭は、窯で焼いたあと、消し粉と呼ばれる灰と土を水で練ったものを使って冷ましたもの。硬くて火持ちが良く、料理や暖房など、生活燃料として利用されている。日本には空海(弘法大師)がその製法を中国より伝えた。
 一方の黒炭は、窯で焼いたあと、窯を密封して自然冷却させてできたものである。軟らかく、触ると手に炭がついて生活燃料としては向いていないが、火付きが良く、古代より金属の精錬や鍛治に使用されてきた。茶道で使用される炭(クヌギの若木を使用)も黒炭のほうである。
 木炭は、水質浄化や土壌改良に用いられるが、これは木炭が多孔質でこの孔が吸着力を持ち、そこに棲み付いた微生物が水質や土壌を改良してくれるためである。また、消臭・吸湿効果もある。電磁波を遮断する効果やマイナスイオン効果もあるといわれるが、こちらのほうの信憑性は疑わしいので注意。
 炭火料理の店で備長炭が重宝されているのは、炭火はガスの約4倍の遠赤外線を放出し、表面を焦がさず中まで火を通すという特徴があるから。また、ほとんどが炭素だけでできているので(最高級の備長炭は96%が炭素)、燃焼したときに水分が発生せず、素材の味を十二分に生かすことができるのも特徴である。

作成 2004.10.12/更新 2004.10.12
モノの歴史
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