0165.赤外線と炭火料理
 炭火料理のおいしさのヒミツの一つには、炭が発する「赤外線」の効果がある。熱には伝導・対流・放射の3つの伝わり方があり、赤外線による加熱はこのうち「放射」に分類される。そして「放射」は、食品表面の水分を最も蒸発させる熱の伝わり方でもある。
 赤外線とは可視光線とマイクロ波の間(0.76~1000μm)の波長を持つ電磁波のことであるが、その中で3μm以上の波長のものを特に「遠赤外線」という。この遠赤外線が食品に当たると、食品の成分の分子の回転とともに原子が振動し、その振動の摩擦により加熱される。電子レンジも原理は同じである(ただし電子レンジの場合は「準マイクロ波」(テレビのUHF・携帯電話などと同じ周波数帯の電磁波)を使用している)。遠赤外線による加熱では、食品内部と表面の熱伝達の時間差が少ないため、表面が焦げすぎることなく中までしっかりと火を通すことができる。また炭の灰からは「近赤外線」も発しており、こちらは食品の中、数ミリまで達し、表面を加熱する役割を果たしている。このため、通常は外部からの加熱により中の水分がしみ出て蒸発するが、水分やうまみ成分がしみ出る前に表面が乾燥したり焦げたりするので、これらを中にしっかりと閉じ込めておくことができる。このように遠赤外線と近赤外線の効果により「外はカリッと、中はふっくらと」した調理ができ、美味しく仕上がるのである。
 さらに、炭火焼をするときに「七輪」を使うことがあるが、この原料である珪藻土(セラミックの原料)も加熱により大量の遠赤外線が発生する。そのため加熱効果がより高まり、木炭を節約することができる。

作成 2004.12.24/更新 2004.12.24
科学
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