0196.マリモ
 マリモ(毬藻)はシオグサ科に属する淡水性の緑藻の一種。藻の繊維(糸状体)一本一本がマリモの個体であり、球状になったマリモは集合体である。普通は150~200年かけて直径6cmほどの大きさになるといわれているが、直径30cm程の大きさにもなったマリモも確認されている。また寒さと暗さに強い反面、暑さには弱く、35度ほどの暑さでダメになってしまうという性質もある。
 マリモは、北海道のほか山梨県の河口湖や山中湖・滋賀県の琵琶湖などにも生息するが、日本国内に生息するマリモのうち、球状体を形成するのは北海道の阿寒湖のものだけである。世界に目を向けると、ロシア・アメリカ・ヨーロッパ北部にも広く生息することが分かっているが、球状体のマリモはアイスランドのミーヴァトン湖やエストニアのオイツ湖などで確認されている。
 マリモは学名を“Aegagropila Linnaei”といい、1753年にカール・フォン・リンネがスウェーデンのダンネモーラ湖から採取した際にこの学名を名付けた。日本では、1897(明治30)年に札幌農学校(現在の北海道大学)の本科生だった農学博士・川上瀧彌が阿寒湖の尻駒別湾で発見し、その形状から「マリモ」という和名を名付けた。なお阿寒湖のマリモは、1952(昭和27)年3月29日に国の特別天然記念物に指定された。そのため、毎年3月29日は「マリモの日」とされている。
 そんなマリモだが、その生態には謎が多い。『毬藻の歌』(作詞:いわせひろし・作曲:八洲秀章)の中で「晴れれば浮かぶ水の上、曇れば沈む水の底」と歌われているが、この歌詞の真偽について「日光による同化作用で気泡ができ軽くなる」ので正しいという説と、「湖面に光が当たっても底の透明度は低いからあり得ない」ので間違いだとする説が長年の間論争がかわされてきた。この「マリモ浮沈論」は、は1923(大正12)年に故・西村真琴・北海道帝国大学(現在の北海道大学)教授が提唱したことに端を発するが、長年の間「浮沈しない」説が優勢だった。しかし2005(平成17)年7月初め、マリモの浮沈現象を初めて確認、マリモ浮沈論争に決着がついた。
 また、本来芝生のように広がるはずのマリモが球状になる理由もまだ謎のままである。以前は川の水の流れにより湖の水が循環し、その中で回転し丸くなるという説が有力だったが、現在ではマリモ自体の力で丸くなるという、大正時代の説が有力視されている。糸状のまま浮かんでいるマリモは光の方向へ向かい芽を伸ばすが、そのうち重心がずれて回転し、それを繰り返すうちに丸くなるというものである。日当たりの良いところにあるマリモに球状のものが多いのもこの理由によるといわれている。しかし、阿寒湖のマリモがビロード上の緻密な球形になる理由はまだはっきりとは分かっていない。
 ちなみに、阿寒湖のマリモは天然記念物のため採取が法律により禁止されているので、土産物店で売られているマリモは、普通の藻を採取し工場で人工的に丸められたものであり、本物のマリモではない。

作成 2006.09.24/更新 2006.09.24
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