1999年4月の時点で、日本で劇場映画の字幕翻訳を職業にする人は、戸田奈津子をはじめ、10名ほどしかいないが、世界中を見回しても字幕翻訳者は彼らだけだといわれている。字幕は日本の文化だともいわれている。外国では、他民族で形成されている国家が多く、識字率が低い国も少なくないため、上映地の言語に吹き替えられて上映されるのが好まれ、かつ一般的である。
先述の戸田奈津子がいうように「映画で疲れるのは字幕が悪い場合もある」ため、映画を見る人たちに瞬時に内容を分かってもらうためには、短い字幕ほど良く、逆に字幕が長くなると観客は字幕ばかりに気をとられることになる。そのため現在の映画字幕は10字詰め2行までが目安となっている。話し言葉をそのまま翻訳すると、必然的に字幕が長くなってしまうため、内容が分かる程度に意訳されることが多い。
日本で初めての字幕映画は1931(昭和6)年に公開された、マレーネ・ディートリヒ主演の『モロッコ』。その数年後には、公開される洋画はすべて字幕入りになった。当時の字幕は現在の約2倍、13字詰め3行まで許された。一説では新橋の芸者に試して決められたといわれている。
ちなみに、字幕のことを「字幕スーパー」ということがあるが、この「スーパー」は「スーパーインポーズ」のことで、写真の多重焼付け技術のこと。字幕を画面に重ね合わせて表示するため、このように呼ばれている。これに対し「中間字幕」という形式もあるが、これはかつてのサイレント映画時代に多く採用された方式で、シーンとシーンとの間に字幕が表示される方式である。 |
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