■キャビア
チョウザメの卵を塩漬けにしたもの。語源はトルコ語のカハービャ(魚の腹子)。「チョウザメ」という名前だがサメ科の動物ではなく、チョウザメ科に属する。チョウザメの仲間は世界に20種類ほど存在し、キャビアの主要産地であるカスピ海には5種類生息する。そのうち、キャビアが採れる品種は体長の大きな順にベルーガ、オシェトラ、セヴルーガの3種のみ。カスピ海のほかにも、黒海やアムール川などで採ることができる。かつてはヨーロッパ沿岸の河川や北アメリカの大西洋沿岸部でも生産されていた。現在キャビアを製品化しているのはロシア、イラン、中国など。その中でも最高級品といわれているのはイラン産。キャビアが三大珍味の地位を確立したのは13世紀末ごろで、トルコの宮廷の供宴で出されたのがきっかけといわれている。
近年の乱獲によりチョウザメの生産高は激減する反面、需要は高いため、先進国を中心に1990年代よりチョウザメの大規模な養殖が行われている。
■トリュフ
石灰岩地帯の荒地でシューヌ・トリフィエというカシの木の根元に自生するキノコの一種で、ヨーロッパでは「黒いダイヤ」とも称される。有名なところではフランス・ペリゴール地方のペリゴール・トリュフ(黒トリュフ)と、イタリアの白トリュフがあり、黒トリュフのほうが一般的。20世紀初頭までは大量に養殖・生産され、ごく普通に食されていたが、20世紀に起きた2つの世界大戦とフランスの工業化などの要因により、その生産量は急減。現在は高価な食材となってしまった。
トリュフは和名を「セイヨウショウロ(西洋松露)」といい、近年「イボセイヨウショウロ」や、ヨーロッパでも分布し「夏トリュフ」と呼ばれている「クロアミメセイヨウショウロ」といった近縁種が日本でも見つかっている。また、中国産のイボセイヨウショウロは、黒トリュフや白トリュフの廉価な代用品としてヨーロッパに大量に輸出されている。
また、野生のトリュフを雌豚に探させるのは、トリュフに含まれている化合物に、雌豚を引きつける雄豚の性フェロモンに非常によく似たものが含まれているため。トリュフは地下で育つため発見が難しく、雌豚がこの香りを嗅ぎつけたところを掘り出すと見つけやすいというわけである。ただ、雌豚がトリュフを食べてしまうこともあるため、現在では特別に訓練された犬に探させることが多い。
古代ローマの博物学者プリニウスが「雷によって生じた」と、トリュフについて述べた記録が残されている。
■フォアグラ
カモやガチョウの肝臓をガバージュ(強制給餌)という方法で人工的に通常の10倍以上に肥大化させたもので、古代エジプトやローマがの時代から食されていた。「フォアグラ」とはフランス語で「肥大化した肝臓」の意味。フランスが主要な生産国で、同国からの輸出先第1位は日本。
本来は生後3ヶ月ほどの雄のガチョウをかごに入れ、じょうごを口に差し込んで、蒸したトウモロコシを強制的に流し込んでいたが、現在は技術革新も進み、コンプレッサーで瞬時に腹一杯吹き込んでしまう方法が用いられている。これで、100gぐらいの肝臓が800gまで肥大化する。
古代エジプトやギリシャではナツメヤシを、ローマではイチジクを用いて肝臓を肥大化させていたが、現在ではトウモロコシを用いている。フランス革命前までは鶏でも同様のことが行われていたが、現在ではカモやガチョウが定番となっている。古代ローマの大プリニウスは『博物誌』の中で、古代ローマではガリアからもたらされたガチョウにガバージュを行い、食材としていたことが記されている。 |
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