0120.宝石の色
 まず宝石の主成分を見ていくと、ダイヤモンドは炭素の結晶、ルビーとサファイアは酸化アルミニウムの結晶、エメラルドはケイ酸ベリリウム・アルミニウムの結晶である。オパールは二酸化ケイ素とわずかな水からできている。
 主成分が同じなのに、ルビーとサファイアが赤と青という違った色なのは、結晶中に取り込まれたわずかな不純物元素の違いが原因である。酸化アルミニウムの結晶はコランダムと呼ばれ、無色透明だが、ルビーにはクロムを含み赤く、サファイアにはチタンと鉄を含み青くなる。またクロム元素がケイ酸ベリリウム・アルミニウムの結晶に入るとエメラルドの美しい緑色が現れる。ルビーの赤もエメラルドの緑も結晶に入って陽イオンとなったクロムの色である。入る結晶が違うと同じクロムイオンでも違った波長の光を吸収し違う色に見える。不純物の量が多いと色も濃くなる。
 本来無色透明なダイヤモンドにもきれいな色がついたものがあり、ピンク・青・レモン色のものなどは宝石として大変珍重されている。このうち青いダイヤはホウ素を微量入れることで人工的に作ることができ、電流を流す半導体ダイヤモンドとなる。アメリカのスミソニアン自然史博物館に展示されている「持ち主に不幸をもたらす」という伝説で有名な天然ダイヤ、ホープ・ダイヤモンドの深い青色もホウ素によるものと考えられている。
 宝石の色の原因となる要因は不純物によるものだけではない。オパールの場合、内部に大きさがそろった透明で球状の二酸化ケイ素が規則正しく並んでおり、球と球の間で散乱された光が干渉を起こし色が見える。多くは緑や青に見えるが、球の大きさや見る方向で色が決まる。球がきちんと並んでいると鮮やかな色が見え、並び方が不規則だと光の散乱で乳白色になる。
 もう一度、下記の表に色のつく原因による宝石の分類を挙げておく。
色の原因 主な種類 原因物質・現象
不純物 ルビー クロム
サファイア 鉄・チタン
エメラルド クロム
アクアマリン
ダイヤモンド ホウ素
窒素
紫水晶
アレキサンドライト 赤・青・紫 クロム
主成分の色 トルコ石
ザクロ石
その他 オパール 虹色 光の干渉

作成 2004.06.27/更新 2004.06.27
科学
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