0033.虫を商う民族
Hoshiyan様 からの投稿雑学
 盆も過ぎれば、晩夏というより初秋の趣です。まあ、秋の楽しみは、浴衣を着て、虫かごにいる鈴虫の音を聞きながら、グラスに注がれしキンキンに冷えたラガービルを飲み、虫の鳴き声に耳を傾けることでしょうか。
 で、鈴虫の鳴き声を聞くためなら幾許かの銭を、払っても良いと思うのは、日本人だけのようで、日本人が虫を商っていることを、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は驚きを持って、記録しています。
 多分、Hoshiyanが推測するには、虫を商うのは、世界を見渡しても日本人だけではないかと、まあ 他にあっても食べる目的で、それ以外 つまり、姿や鳴き声を愛でて対価を支払う民族は日本人だけではないかと思います。言い方を変えると「食べる目的以外で、虫を商う民族は日本人だけ」ということになりますか…。
 日本人の感受性を、少し 誇らしく感じるのは、ボクだけでしょうか?

たろうの補足
鑑賞目的で虫を捕らえ、楽しみ、売買するという習慣は諸外国ではまず見られない光景で、日本独自の文化といっても良い。平安時代の昔から「虫放ち」「虫聞き」「虫合わせ」といった遊びが盛んで、鳴き声を発する虫を売る「虫売り」も立派な商売として成立するほど、日本人は昔から虫を愛でる習慣があった。
平安時代の代表的な文学作品である『源氏物語』の「鈴虫の帖」には、50歳を過ぎた光源氏が鈴虫や松虫の声を聞いて楽しんでいる場面が登場する。
虫を売る商売が繁盛するようになったのは江戸時代からだといわれている。小泉八雲によると、江戸・神田のおでんや忠蔵という人物が根岸(現在の鶯谷のあたり)で捕まえた鈴虫を飼育していたところ、その虫の音に聞きほれた近所の人たちがそれを譲ってほしいといい、それをきっかけに虫売りを始めたという。
おでんや忠蔵の顧客で、丹波篠山藩の桐山という武士が偶然昆虫の人工養殖ができることを発見してから、江戸での虫売り業者が増えたという。当時の昆虫の飼育方法は、現在の方法とあまり変わらなかった。
小泉八雲自身も虫を愛した一人で、夏は蛍の光を楽しみ、秋は虫売りからさまざまな虫を買っては愛用の虫かごに入れてその声を楽しんでいた。

投稿日 2006.08.13
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