0052.ミュー中間子
Hoshiyan様 からの疑問
 ミュー中間子は高度9km~50kmの成層圏で一次宇宙線と酸素や窒素と衝突すると発生する二次宇宙線である。
 実験室で確認されたことはミュー中間子は発生から100万分の1秒で消滅してしまう。ミュー中間子の運動のスピードから計算すると発生から300mぐらい移動したところで消滅する計算になるが成層で発生したあとも移動を続け地上に降り注でいる。
 なぜか?

たろうの回答
ミュー中間子は、原子核の一部を構成する粒子の一種で、一次宇宙線が大気中の原子と衝突する際に、パイ中間子が崩壊し発生する粒子のことであるのはHoshiyan様のおっしゃるとおり。しかしながら現在の素粒子物理学でいう「中間子」の定義とは異なる性質を持つので、厳密には「ミュー粒子」と呼ぶのが正しい。
このミュー粒子のスピードだが、秒速に直すとおよそ30万kmとなり、ほぼ光速で進んでいる。アインシュタインの特殊相対性理論では、物体のスピードが光速に近づくほどその物体の時間はゆっくりと進むといわれており、これを当てはめると、実際には100万分の1秒で消滅してしまうはずのミュー粒子も、ほぼ光速で進むことにより寿命がのび、結果として地上にまで到達することができる、というわけである。
ミュー粒子は、1937年にカール・デイビッド・アンダーソンが、セス・ネッダーマイヤーとともに発見した。ちなみにアンダーソンは第2次世界大戦中にマンハッタン計画(アメリカによる原爆開発計画)の責任者を依頼されるも拒否、かわりにジョン・ロバート・オッペンハイマーがこの計画の責任者となった。

投稿日 2006.12.11
<0051  投稿雑学TOP  0053>

copyright (c) Hokkaido Zatsugaku Society