0067.オーケストラと指揮者
Hoshiyan様 からの疑問
 オーケストラの演奏を見ていていつも気になるのが、指揮者だ。
 先日オーケストラの演奏者達を観察してみると、ずっと楽譜に目をやっているが、演奏中一度も指揮者を見ていない。
 不思議に思い吹奏楽をしている友人に聞くと、やはり演奏中に指揮者を見ることは、あまりないそうだ。
 さて、さて、演奏に指揮者は必要なのだろうか?

たろうの回答
基本的に演奏中、演奏者たちは指揮者ではなく、主旋律を演奏している奏者を見ていることが多い。演奏者たちもプロなので、他の演奏者たちに合わせて自分のパートを演じている。演奏会場における指揮者の役割は、一種のパフォーマンスともいえる。
指揮者はどちらかというと、本番よりもリハーサル時のほうの重要性が高い。演奏者たちは演奏のプロである以前に、それぞれ個性を持った一個人であり、時にはその個性がぶつかり合うこともある。そのため、多くの奏者を必要とする楽曲では、指揮者なしで統一感のある音楽を奏でることは非常に難しい。指揮者は本番で統一感のある演奏ができるように、その準備段階で演奏者各自の個性を一つにまとめ上げるという重要な役割を担っている。また、演奏会本番直前にも、会場の温度や湿度、観客数のことを考慮し、本番の環境に応じた演奏ができるよう、演奏者たちに指示を与えるという大きな任務がある。
18世紀ごろまでは職業としての指揮者は存在せず、指揮が必要な場合、作曲家がその役割を務めていた。しかし、18世紀後半に音楽におけるロマン主義が起こると楽器の多様化、演奏技術の向上にともない、オーケストラが大規模化し、それらをまとめ上げる指揮者の存在が必要となってきた。特に19世紀以後、指揮を専門とする職業が現れ、現在ではカリスマ的な指揮者も登場し、オーケストラにとって欠かせない存在となっている。

投稿日 2007.05.30
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