2003年04月 同じ日でこれだけ天気が違う!オホーツクを南下し実感した

日本最北端の地・宗谷岬からオホーツク海に沿って北海道を南へ進んでいきます。


2003.04.30 撮影
宗谷岬から休憩をはさんでおおよそ5時間後に能取湖(のとろこ)付近までやってきました。



能取湖は網走市の郊外にある日本で14番目に大きな湖で海水の湖です。1973年に護岸工事がおこなわれるまでは海水と淡水が入り交じる汽水湖でした。「能取」の名前は「岬の場所」という意味のアイヌ語「ノッオロ」からきており、これは本来湖の北東にある能取岬のことを指します。

湖畔はアツモリソウ(サンゴ草)が群生しておりこの湖の名所として知られています。また湖ではホタテ・サケ・ホッカイシマエビ・カレイなどの魚介類が獲れます。

さらに車は進みオホーツク総合振興局(旧網走支庁)と根室振興局(旧根室支庁)の境界となる根北峠まで差し掛かりますが…

2003.04.30 撮影
濃霧に見舞われました。


2003.04.30 撮影
峠道なので道路脇にもまだ多くの雪が残っています。記憶に間違いがなければ多少の雪も降っていたかと思います。能取湖ではぬるく感じた空気も根北峠では冷たく感じます。
この根北峠は知床半島の付け根を横断する峠で1885年に積雪期も踏破できる北見国と根室国とを結ぶルートとして開削されたのが始まりです。


2003.04.30 撮影
峠を下りしばらく走ると野付湾に到着します野付湾は野付半島に囲まれた部分にできた湾です。1~2mという浅い水深の湾内で行なわれるホッカイシマエビの打瀬網漁は風物詩にもなっています。



また野付半島は独特な細長い地形をしておりこれは海流によって運ばれてきた砂が積もってでき砂嘴(さし)と呼ばれるものです。

「野付」という地名もこの砂嘴の形をクジラの下あごになぞらえアイヌ語で「下あご」を意味する「ノッケウ」と名付けられたことに由来しています。


2003.04.30 撮影
海側を見ると向こうに島を見ることができます。国後島の螻向崎(ケムライざき)で野付半島とは20km程度離れています。野付半島は江戸時代後期にキラクという集落がありこの野付半島から国後島へ渡る交通の要所として栄えていました。今でもその名残を見ることができますが浸食により多くが海へ沈んでしまっています。


2003.04.30 撮影
根釧台地の田園風景でこの写真を撮影した時間は記録では18時の少し前ごろでした。すでに日没の時間にもかかわらずこの日でいちばん暖かな空気を感じたのを覚えています。
雪の降るサロベツ原野で朝を迎え、冷たい雨交じりの宗谷岬に立ち寄り、オホーツク海を南下し生ぬるい風を受けながら網走を走り、まだ雪が残る肌寒い根北峠を越え、また野付半島や根釧台地で太陽の暖かさを感じ、同じ北海道でもまったく違う顔を持っているなと気温の違いだけでもよく知ることのできる一日でした。


2017.11.22 作成