ニンニクは百利“二害”?

 ニンニクは香辛料として、またスタミナ源としてよく使われる食材のひとつです。いわゆるニンニク臭が、口臭の原因となること以外は体に良いということで、巷では「百利一害」な食品ともいわれています。しかしこの「一害(臭い)」のもとであるアリシンが、ビタミンB1と結びつくことでアリチアミンという物質になり、疲労回復や風邪予防などの「百利」をもたらしてくれます。



ニンニクと人類との付き合いはとても古い

 ニンニクと人類との付き合いは、かなり古くからあります。原産国は中央アジアであると考えられていますが、紀元前3200年ごろには、すでにエジプトで栽培・利用されていることが分かっています。紀元前1550年ごろに書かれた、現存する最古の古代エジプトの医学書では、ニンニクが薬として紹介されています。

 また、中国には紀元前140年ごろに伝わり、さらに日本には奈良時代のころに伝わったと考えられています。

 このように、ニンニクは古くから世界中に広まった食材なので、洋の東西を問わず、あらゆる料理で使われています。

臭い以外の、ニンニクの”害”とは?

 古くから世界中で広く使われているニンニク、「百利一害」といわれるほどたくさんの利点・効能がありますが、アリシンを由来とする「臭い」というマイナス面もあります。また、このアリシンがもう一つの「害」のもとにもなっています。

 ニンニクを一度にたくさん摂りすぎると、健康には良くありません。アリシンが体の中の赤血球の膜を破壊し、その結果、赤血球の中に入っていたヘモグロビンが赤血球の外にはみ出てしまいます。これが原因で貧血を起こすことがあります。このような物質を、難しい言葉で「溶血起因性物質」といいます。また、ニンニクは刺激の強い食べものなので、たくさん摂りすぎると、胃壁を痛めてしまいます。

 しかし、これらはあくまでニンニクを必要以上に摂りすぎることによって起こる害です。また、このような害は、生のニンニクをスライスしたりすりおろすなど、傷をつけた状態のときだけ発生するものです。またアリシンは、時間の経過または熱を加えることで分解される不安定な物質なので、ふだんの食事でニンニクを使う時に、気にする必要はありません。