細菌を残らず全滅させたり、良い菌だけを残したり 牛乳の殺菌方法あれこれ

 牛乳の原料はもちろん、牛の母乳(生乳)です。生乳は、搾ったままの状態では雑菌が多く、日持ちがしないので、必ず殺菌処理をしてからお店へ出します。雑菌は高温にすることによって一瞬で全滅させることもできますが、この方法では乳酸菌などの体に有益な菌も死滅してしまうため、さまざまな方法によって殺菌処理が施されます。



牛乳の殺菌方法

  • UHT(超高温瞬間殺菌):120℃の超高温を2秒ほど加えます。殺菌能力は低温殺菌(LTLT)の1万倍あり、雑菌を確実に死滅させることができますが、その反面、役に立つ乳酸菌なども死んでしまいます。日本の市販牛乳の9割以上は、この方法で殺菌されています。
  • HTST(高温短時間殺菌):72℃以上で連続的に15秒以上加熱します。
  • HTLT(高温保持殺菌):75℃以上で15分以上加熱します。
  • LTLT(低温長時間殺菌法):63℃で30分熱処理をします。

 UHTが確実に細菌を死滅させるのに対し、LTLT・HTLT・HTSTは人間に有害な菌だけを取り除くために、最小限の熱処理しか行わない殺菌方法です。LTLTはコストが高く加熱時間も長いため、この類の殺菌方法は現在、HTSTが主流になっています。また低温で殺菌する牛乳は、UHT殺菌牛乳に比べ、品質保持期限が2~3日短く、価格も1リットルあたり10~20円高くなってしまいます。
 ちなみに欧米の牛乳の殺菌方法は、HTSTが常識です。日本は初め、原料の生乳の品質が悪く、高温殺菌しなければならなかったという事情があったため、UHTが主流になりました。現在では乳質も改善され、低温で殺菌されたものを飲む、牛乳本来の飲み方ができるようになりました。