中学校1年生の数学で初めて勉強する「方程式」。その時はあまり意識していなかったかもしれませんが、よく考えると「方程」の式ってなんだろう?と疑問に思うかもしれません。今回はその謎を解いていきたいと思います。
「方程」という言葉は昔の中国の数学書から
実は「方程式」という言葉は、紀元前1世紀から紀元後2世紀に書かれたと考えられている中国の数学書『九章算術』から採られています。題名のとおり全部で9章あり、その中に246の問題が収められた、問題集形式の数学書です。唐の時代には教科書としても使われました。章ごとの中身を簡単に見てみましょう。
- 方田:38問。田畑の面積求める計算。分数の計算や図形の面積を求める計算、ユークリッド互除法について記されています。
- 粟米:46問。交換比率が違う商品の物々交換する際に必要な計算。比例の計算や不定方程式について記されています。
- 衰分:20問。納税や財産配分、利息の計算。数列の計算などが使われる場合もあります。
- 少広:24問。土地の測量で必要な計算について。平方根や立方根、辺の長さを求める計算が記されています。
- 商功:28問。土木工事や労働者の数、土砂の体積を求める計算が記されています。
- 均輸:28問。田畑から徴収した税を運ぶのに必要な計算。距離や日程、運送費に関係する計算が記されています。
- 盈不足:20問。いわゆる鶴亀算について。過不足を求める計算が記されています。
- 方程:18問。多元一次方程式の計算方法について。そのための負の数の計算のきまりについても記されています。
- 句股:24問。測量に必要な計算。三平方の定理(ピタゴラスの定理)について記されています。
その中の第8章が「方程」という題になっていて、そこから「方程式」という言葉が生まれました。「方」は比べること、「程」は大きさや量という意味です。
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