リンゴの皮をむいたあと、色が変わらないように「塩水」につけることがあります。なぜ、塩水につけると、リンゴの色が変わらないのでしょうか?
リンゴを塩水につけるのは、酸化防止のため
皮をむいたリンゴを塩水につけないと、表面が空気中の酸素とふれ、酸化して茶色っぽくなってしまいます。このことを“褐変”といいます。
リンゴを塩水につけるのは、この褐変を防ぐためです。逆にいえば、リンゴの表面を空気(正確には酸素)にふれさせなければ、塩水ではない他のものでもリンゴの美白を保つことができる、というわけです。
では、塩水ではなく、真水でも良いのでは?という疑問が出てくるかもしれません。
実は真水でも褐変する速度は遅くなります。しかし、真水には酸素が溶けやすい性質があります。逆に、塩水には酸素があまり溶けません。
つまり、真水よりも塩水にりんごを入れた方が、リンゴの表面を酸素にふれさせにくくさせることができる、というわけです。
塩水がリンゴの美白を保たせる効果がある理由は、まだ他にもあります。
皮をむいたリンゴが茶色っぽくなるのはなぜ?
切ったリンゴが茶色っぽくなるのは、リンゴに含まれるポリフェノールの一種である、エピカテキン(お茶に多く含まれる)やクロロゲン酸(コーヒーに多く含まれる)が酸化酵素によって空気にふれて酸化するためです。
塩水の場合、空気に触れにくくする以外にも、ナトリウムイオンがポリフェノール類のまわりに壁をつくり、酵素の働きをおさえ、酸化を防ぎ、リンゴの変色を防ぐ効果もあります。
塩水ではなくレモン汁でも変色は防げます
塩水のほかにも、レモン汁につけることで、リンゴの変色を防ぐことができます。
レモン汁の場合、リンゴのポリフェノールより先に、レモンに含まれるビタミンCが酸化の反応をするため、リンゴの美白を保つことができます。ビタミンCが酸化防止剤として多くの食品に使われている理由は、そこにあります。
ドイツでは塩水よりレモン汁
ドイツでは、皮をむいたリンゴを、塩水ではなくレモン汁につけるほうが主流です。そうすると、レモン汁の味もしみこんで、よりおいしく食べられるそうです。
もっともドイツでは、リンゴを食べる時、皮をむかずに食べることのほうが多いので、皮をむくこと自体が珍しがられるそうです。
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